【どこにもない家の話 その4】ゲストハウス開業で考えさせられた「お金」の問題

ゲストハウスをオープンするにあたって、大きな悩みとなったのが「宿泊料金」です。

ここ1年ほど、ゲストハウスに近い形で多くの友人や知人をお迎えしてきましたが、特別お金はもらってきませんでした。

しかし開業するとなれば、お金のこともしっかりと決めておかなくてはいけません。

「宿泊料金を決めるのなんて、そんなに難しいことじゃないでしょ?」

と感じる方もいると思います。

たしかに、宿泊料金は

  • 需要
  • 必要経費
  • 市場価格

あたりを押さえておけば、なんとなくそれっぽい価格は弾き出せます。

でも、それはあくまで「価格設定ができるだけ」です。

実際にその金額を友人や知人からいただくとなると、またそれは大きく違った意味合いを帯びてきます。

今回はモヤモヤを抱える妻と僕のやりとりを通じて、「そもそもお金ってなんだっけ?」みたいなところの考察を深めていきたいと思います。

友だちからお金をもらう・もらわない問題勃発

ゲストハウスオープンに向けて着々と準備を進めていた頃、妻から質問を受けました。

友だちが夏休みに泊まりに来たいって言ってるんだけど、宿泊代ってどうしたらいいと思う?
うーん、もう開業してるはずだから、もらっていいんじゃない?

でも、なんか友だちからお金もらうのって違う気がするんだよね……
お金をもらいづらいってこと?

うーん、なんて言うのかな。そもそも友だちってこれまで、自然とお互いを思いやることで関係性をつくってきたように思うんだよね。そこにお金が入ってくると何となく違和感があって……どちらかといえば物々交換とかの方がしっくりくるというか……

たしかに、妻の言わんとするところはわかります。

友だちはあくまでも「友だち」なのだから、お金の話を持ち込まないでほしい、ということです。

そしてこれまで1年間は、実際にそのような形で友人や知人をお迎えしてきました。

 

しかし、その中で生まれてきた葛藤が以下のようなものだったのです。

  • 家計的に考えるとゲストを招いている余裕などなく、もっと仕事に時間を割くべき
  • でも自分たちとしては今よりもたくさんのゲストをお迎えしたい
  • でもゲストが増えれば増えるほど、経済的な負担が重くなってくる
お金をもらわずに全員受け入れられたら最高だけど、駆け出しのフリーランスではやっぱり厳しいよね。おもてなしの準備だけでも、かなりの時間がかかっているし……

それはそうなんだけど……じゃあ友人だけ無料にして、他のお客さんは有料にするとか?

妻の言うことももっともです。

「友人は特別なのだから無料にすればよい。」

でもよくよく考えると、それもかなり難しいことがわかります。

なぜならば、

  • そもそも「友人」と「お客さん」をきっちりと区別できるのか
  • 最初は「お客さん」として来ても、その後「友人」になった場合はどうするのか
  • やってくるゲストの大多数が「友人」になった場合でも、受け入れを続けることは可能か

といった疑問が生じるからです。

そして、それらの疑問に対して「OK!全然大丈夫!」とは言い切れませんでした。

 

つまり、「友人を際限なくお迎えすること」は、そもそも経済的・時間的に余裕のある人でなければ難しいことなのだと思います。

そして僕たちは現時点でそのどちらも持ち合わせておらず、本来その行為を続けることは不可能なのです。

でも僕たちはそれをやりたかった。

その理由について詳しくは、「【どこにもない家の話 その1】僕たちはなぜゲストハウスをやろうと思ったのか」に書いてある通りです。

だから僕たちはゲストハウスとして開業して、経済的自立を実現することでその壁を乗り越えようとしているんだよね。

そうだよね……。うーん、でも友だちからお金をもらうのはなんか違う感じがするんだよね……

いまだ妻はモヤモヤが続いているようです。

「なぜ友人からお金をもらおうとすると違和感があるのか

これはこの機会にしっかりと掘り下げて、ハッキリさせておくべきだと思いました。

そもそも「お金」ってなんだっけ?

そもそもこんなに私たちをモヤモヤさせる「お金」って何!?
(いきなり深い質問来た)

そもそも「お金」って何なのでしょうか?

なんだか話が大きくなって申し訳ないのですが、妻の言う通り結局ここに行き着くと思います。

はっきり言って、僕たちって「お金とはこれこれこういうものです」って教わることなく、ここまできているんじゃないかと。

つまり、みんな「お金」が当たり前のものすぎて、説明の必要すらないと思ってしまっている。そこに落とし穴があるような気がするのです。

じゃあお金ってどんなものかと言えば、

  • 働くことで得られる対価
  • 生きていく上で必要なもの
  • 物々交換の代わりにできた仕組み

なんて説明ができると思います。

総じて言うと、

「お金とは、暮らしを便利で豊かにしてくれるもの」

そんなところに落ち着くのではないでしょうか。

まあお金の説明については何となくわかったけどさ……じゃあ何で友だちからその「お金」をもらおうとするとモヤるんだろう?

なぜ友人からだとお金をもらいにくいのか。僕が考えた2つの理由

「なぜ友人からお金をもらおうとすると違和感があるのか」という点に対して僕なりに考えた結果、

  1. お金に対する先入観
  2. お金の稼ぎ方

に原因があると思いました。

1つずつ説明しますね。

原因1. お金に対する先入観

1つ目の原因が、お金に対する先入観です。

お金のイメージって、何となく「汚いもの」「ずるいもの」「後ろめたいもの」な感じがあると思います。

水戸黄門で悪巧みをして賄賂を受け取る越後屋しかり、詐欺まがいのことをしてお金を儲けようとする人しかり。

昔から僕たちは、本やテレビ、周囲の人たちの言動を通じて、知らず知らずのうちに「お金に対する悪いイメージ」を作り上げてきたのではないでしょうか。

つまり、お金に対して僕たちが持っているイメージは、かなり「先入観」によって形づくられているのでは?という考えが1つ目です。

原因2. お金の稼ぎ方

2つ目の原因が、お金の稼ぎ方です。

お金のイメージが悪いものになってしまっている大きな要因として、僕たちがお金を得るときに辛い思いをしているから」があると思います。

結局いまのお金って「我慢の対価」「嫌なこと、辛いことをしたからもらえるもの」になってしまっているのではないでしょうか。

だから「お金=辛い、しんどいの代償」になってしまっている。

だから大切な部分(友情など)にはお金を持ち込みたくない。

お金って本来、僕たちの生活を便利で豊かにしてくれるものだったはずなんだよね。だから全然悪いものではなくて、お金に対する評価は自分でちゃんと決めてあげればいいだけだと思う

なるほどね。でもさ、先入観は自分で何とかするにしても、お金の稼ぎ方はどうやって解決すればいいのかなぁ…
働き方についても、もう少し掘り下げてみよう

お金を得ることは、本当に辛いことなのか

仕事をしてお金を得ることは、本当に辛いことなのでしょうか?

かくいう僕もサラリーマンとして12年働いてきたので、「お金を得る=辛い、しんどいの代償」の公式はよくわかります。

お金を得る過程では辛いこと、しんどいことはたくさんありますし、それは避けられません。

でも、「辛い」「しんどい」にも種類があると思います。

・人からやらされている嫌なことの「辛い」「しんどい」

・自分で選んでやっている好きなことの「辛い」「しんどい」

この2つは、同じ「辛い」「しんどい」でも、かなり感じ方が違うはず。

これって筋トレに似てると思う。嫌がる人に無理やり筋トレさせたら拷問だけど、自ら好きで筋トレする人はたくさんいるよね。仕事に対しても同じように考えることができるんじゃないかな

 

つまり、好きなことを仕事にすれば、お金に対するモヤモヤが無くなるってこと?

仕事を好きなる。好きなことを仕事にする。

嫌な仕事を続けていると、お金に対するイメージはどんどん悪くなります。

そこから抜け出すには、

  • 今やっている仕事を好きになる
  • 好きなことを仕事にする

この2択しかありません。

まずは「今やっている仕事を好きになる」努力をしてみる。

それでダメそうなら「好きなことを仕事にする」努力をする。

こんな流れが妥当なように思います。

でも好きなことを仕事にするのは、けっこう不安があるよね……
うん。でもこれからの働き方では「好きなことを仕事にする」ことがとても大事になってくると思うよ

そういえば先日、こんな記事が目に入ってきました。

いつの間にか「好きなことをしていい」時代から、「好きなことをしないと豊かになれない」時代に変わった。

かなり多くの人がシェアしていた記事なので、それだけ世間の関心の高い話題だということがわかります。

記事の内容を要約すると、

  • これからの時代は、「好きなこと」をして特定の分野を極めないと豊かになれない
  • 好きを仕事にして、自由をうまく使いこなすことが長い人生を豊かに過ごすための鍵である
  • ただし、好きを仕事にするためには「マーケット(市場)を見る目」が欠かせない

そんな内容でした。

このような意見や考え方は、最近多く耳にするようになったと思います。

その理由は、

  • 少子高齢化による人材不足
  • 先行きの見えない年金問題
  • 破綻しかけている終身雇用

など、生き方や働き方を見直さざるを得ない問題が可視化されはじめたからだと思います。

さらに、AI(人工知能)やロボット技術の発達によって、「AIやロボットではなく、人間(自分)にしかできないことは何だろう?」と多くの人が考え始めたのも大きいように思います。

そして、それらの問題に対しての突破口が「好きなこと」というわけです。

先行きの見えない不安定な世の中をあらゆる角度から考えたときに「好きな仕事」、つまり「死ぬまで働き続けたいと心から思える仕事」を持つことはとても合理的というか、「むしろ皆がハッピーになる道はそれしか無いのでは?」とすら思えてしまいます。

ちょっと話がそれてしまったかもしれませんが、以上が「お金へのモヤモヤを解消するには、先入観や働き方を見直すことが必要では?」という考察でした。

「お金を払うこと」は「応援すること」

これまでお伝えしたことを踏まえつつ、僕自身は「お金を払うこと」は「応援すること」だと思っています。

僕たちは普段「いちばん安くてコスパの良いものはどれだろう?」と考えながら、買う物を選んでいることが多いように思います。

コスパももちろん重要なことです。でもそこには欠けているものがあります。

それは「作り手の顔」です。

作り手の顔が見えたとき、「買う」という行為に「応援」の気持ちが加わります。

そのような購入体験は得てして満足度が高いです。

これは僕自身が実体験で感じたことでもありますし、恐らくある程度理解してもらえるのではないかと思います。

「お金を払う」という行為は、言ってしまえば選挙で投票するのと一緒だと思う。「相手やその会社を応援したい」という意思表示だよね

投票と一緒かぁ……たしかにそうかもしれないね。私も顔の見える相手からモノを買った方が安心するし、何だか嬉しいって感じるかも。
うん。だから僕は友人からお金をもらうことに対しても、違和感を持つ必要はないと思う。むしろ「応援してくれてありがとう」という気持ちで、より良いものが提供できるようにがんばっていけばいいんだから

そうかもしれないね。あー、でもお金をもらうって責任が伴うことだし、しっかりやらなきゃっていうプレッシャーがすごい(泣)
実はそこに対しても、僕はあんまり気にする必要は無いと思っているよ。「お金をもらう=プロの仕事がマスト」の考え方って、これもある種の先入観。「お客様は神様です」っていうのと同じ、古い価値観だと思う

でもその考え方って、それはそれで間違ってなくない?
僕が危険だと思うのは「失敗を許さない」考え方につながりやすいから。そうなると人はチャレンジができなくなるよ。僕はそれは嫌だし、子どもたちに残したい世界観ではない。はじめから100点を取ろうなんて思わなくていい。ちょっとずつでいいから良くなっていくもの、10人に1人でいいからファンが増えていくもの、そんなものを目指せばいいんじゃないかな

もちろん、お金に関する価値観・考え方は人ぞれぞれですし、僕たちもまだまだ考えの足りない部分があると思います。

ただ現時点で、僕たちの「お金」に対する考え方はこのような結論になった、というお話でした。

〈写真:かんき


追記:2019/9/5 クラウドファンディング「ゲストハウス『どこにもない家』に泊まりに来てほしい!」を達成しました!

 

3 Comments

hamaland

古川さん、ブログを読んでくださりありがとうございます!
僕も古川さんと同じように考えています。できるだけ顔の見える相手に、そしてお互いが気持ちよく、そんなお金の使い方ができれば最高ですよね!

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古川真由美

同感です。私は消費者の立場ですが、どうせお金を払うなら知っている人に払いたいと思っています。1時間半かけて娘の美容院へ行き、きちんと払ってきます。家は、他より高いなぁと思いつつ、同級生の大工さんに頼みました。余分な値引きはしないでほしいとも伝えます。同じ払うなら、あなたのところで払いたい、その気持ちを汲んでほしいとも伝えます。
また、美容師の娘には「ただでやってよ〜」って言ってくる人の付き合いは、考えるように言ってます。それは、彼女の努力や技術へのタカリだと思います。お金じゃないタカリです。お金を受け取る 頂く お支払いするということは、相手への応援と敬意だと思います。大切に使います、応援ありがとうございますで良いのではないのかなーとも思います。こらからも頑張ってくださいねー😊応援しています(コレはお金払ってない応援 笑)

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