【どこにもない家の話 その2】ゲストハウスの名前の由来は『モモ』から

前回の「【どこにもない家の話 その1】僕たちはなぜゲストハウスをやろうと思ったのか。」では、ゲストハウスをはじめようと思った理由についてお伝えしました。

今回は僕たちのゲストハウス「どこにもない家」の名前の由来についてお伝えします。

ちょっと変な感じのする名前なのですが、当然ながらそこには意味があります。

どうぞご覧ください。

「どこにもない家」は『モモ』に出てくる家の名前

前回の記事でお伝えした通り、僕たちがゲストハウスをやる目的は

  • 自分たちが大切にしている価値観を感じてもらえるような空間を作り、ゲストハウスの滞在を通して感謝の気持ちを伝える
  • 誰にとっても大切な時間を今一度見つめ直せるような「時間を取り戻すゲストハウス」を目指す

というものでした。

そしてそのキーコンセプトとして『モモ』の価値観を置こうと決めました。

『モモ』はドイツの作家ミヒャエル・エンデが書いた児童向けの物語ですが、「時間」をテーマにした示唆にあふれ、大人が読んでも奥深い内容です。本国ドイツに次いで日本で売れているようなので、手に取ったことがある方も多いのではないでしょうか。

イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちによって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人に自信をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険のなかで、奪われた時間を取り戻すというストーリー。

ーウィキペディア「モモ (児童文学)」より引用

「どこにもない家」は、そんな『モモ』に出てくる「時間を司る家」の名前です。

本に出てくる「どこにもない家」には「マイスター・ホラ」と呼ばれる、時間を司る老人が住んでいます。(ちなみに「マイスター=賢者」、「ホラ=時間」という意味)

その家の中には「時間の花」が咲く秘密の部屋があり、その花こそが人々の時間の源泉でした。そのため、時間泥棒たちはその花を狙おうと「どこにもない家」に押し寄せ、物語はクライマックスを迎えます。

そんな風に、物語の中で重要な位置づけにあり、「時間」と深い関わりを持っているのが「どこにもない家」なのです。

なぜ『モモ』から名前をとったのか

冒頭でお伝えした通り、僕たちはゲストハウスの滞在を通じて、大切な時間を今一度見つめ直せるひとときを持ってもらいたいと考えています。

それはすなわち「時間を取り戻すこと」でもあると思うのです。

だからゲストハウスの名前は、『モモ』に関わりのあるものにしようと思いました。

 

そして僕自身、新しい生き方・働き方で悩み、迷っていたときに励ましてくれた本が『モモ』でした。

もちろん会社をやめるにあたっては、『モモ』以外にもたくさんの本やこれまでの経験が支えとなって後押ししてくれました。

例えば動画では、「【保存版】人生に迷ったときに観たい!おすすめの動画3選を紹介!」で紹介しているものがとても良かったです。

本であれば、

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なども、自分なりの答えを探す手助けしてくれました。

その中でも『モモ』は精神的に深い部分、傷つきやすい柔らかい部分に対して声援を送ってくれていたように思います。

だから『モモ』に対しても感謝の気持ちを込められるようなゲストハウスになれば、これは最高なんじゃないかな、そう思ったのです。

どこにもないからどこにでもある。そんな空間づくりを目指す

「どこにもない家」は、パッと聞いただけだと

  • 他にはない貴重な家
  • オリジナルの特別な家
  • 特別なことが体験できる家

みたいな印象を受けるかもしれません。

でも『モモ』で使われている「どこにもない家」の意味はそうではないと思います。(公式の解説などあるのかもしれませんが、あくまで個人的な見解です)

作者のエンデは大の日本好きで、「禅」に対しても精通していました。

「どこにもない」という表現は、禅問答にも通じるところがあるように思います。

 

「どこにもないけど、どこにでもあるものなーんだ?」

 

突然クイズをはじめてしまいましたが、エンデが意図したのはこういうことではないでしょうか。

僕の考える正解は「時間」です。

時間は誰にでも平等に与えられているので、「どこにでもある」と言えます。

一方で、時間は目に見えません。時計を通して見えているのは、あくまで「時間を計測する機械の動き」であって「時間そのもの」ではありません。

つまり、時間を目にした人はいないのです。これは「どこにもない」と言えるのではないでしょうか。

*******

僕たちのゲストハウスは、特別な設備や豪華なサービスを提供するわけではありません。

確かに築140年の古民家であることは特別かもしれませんが、1年かけて自分たちの手でコツコツ直してきた簡素なものです。

田舎ならではの静かな空間は自慢ですが、お昼を過ぎれば子どもたちが元気に学校から帰ってきます。

僕たちのゲストハウスは、僕たちの生活の中の一部なのです。

なので、言ってしまえば「どこにでもある家」だと思います。

 

でも、その場所にかける想いやゲストをお迎えする気持ち。そのあたりを育む時間は大切にしてきたと自信を持って言えます。

「どこにもない」とは言い切れないかもしれませんが、忘れていた大切なものが見つかるような宿。

そんな空間づくりを目指しています。

次の話→【どこにもない家の話 その3】ゲストハウス「どこにもない家」の名前が決まるまでの物語

〈写真:かんき


追記:2019/9/5 クラウドファンディング「ゲストハウス『どこにもない家』に泊まりに来てほしい!」を達成しました!

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