「空気銃(エアライフル)ってどんなメリットがあるの?」
と思っている方。
狩猟免許を取ろうとしている方の多くが「第1種(装薬銃)」か「第2種(空気銃)」で迷うことと思います。実は自分もかなり迷った結果、とりあえず第1種を取得しました。第1種を取っておけば、第2種(空気銃)も使用できますからね。
今回はそのあたりも含めて、空気銃(エアライフル)のメリットとデメリットについて解説していきます!
目次
【おさらい】猟銃の免許は第1種と第2種の2つがある
猟銃の免許の種類には、
- 第1種:装薬銃(散弾銃・ライフル)
- 第2種:空気銃(エアライフル)
の2つがあります。
この2つの免許の関係性をカンタンに言うと「車の免許のマニュアルとオートマ」に近いです。
つまり、マニュアル(第1種)の免許を取っておけば、オートマ(第2種)の車も運転できるじゃないですか。逆にオートマ(第2種)の免許では、マニュアル(第1種)は運転できません。それと一緒な感じです。
免許試験はどちらもそれほど難易度に差は無い(第1種が少しだけ難しい)ので「どうせなら第1種を取っておいて、どちらの銃を使うかはまた別で判断すればよかろう」というのが自分の考えです。
ちなみに人気の狩猟マンガ「山賊ダイアリー」では、主人公である著者は空気銃を使っています。空気銃を使った狩猟の様子が詳しくわかりますので、良かったら読んでみてください。とても面白いマンガですよ。
山賊ダイアリー(1) (イブニングKC) [ 岡本 健太郎 ]
空気銃(エアライフル)のメリット
空気銃(エアライフル)のメリットは、
- 取得コストが安い
- 弾の値段が安い
- 銃の取得・管理のハードルが低い
- 発射音が静か
- 質の良い肉が獲れる
の5つです。1つずつ説明しますね。
メリット1. 取得コストが安い
1つ目のメリットが、取得コストが安いことです。
第1種の装薬銃(散弾銃・ライフル)のみにかかる取得コストとしては
- 教習射撃代:約3万5,000円
- 装弾ロッカー代:1~2万円
の2つ。それぞれ見てみましょう。
教習射撃代
猟銃を持つにあたっては狩猟免許とは別に「銃の所持許可」が必要です。
これは警察署に申請を出したり、講習を受けたりすることでもらえるのですが、第1種猟銃の所持許可申請には「教習射撃」が条件として入っています。
教習射撃とは、射撃場で練習をして認定をもらうことです。この教習射撃代がなかなか高く「35,000円」ほどかかります。
第2種の空気銃であれば、教習射撃は必要ありません。
装弾ロッカー代
第1種猟銃を扱う場合は、銃と装薬(鉄砲の玉)を保管するための、専用の装弾ロッカーを購入しなければなりません。
お値段は約1~2万円といったところです。第2種の空気銃であれば、装弾ロッカーは必要ありません。
メリット2. 弾の値段が安い
2つ目のメリットが、弾の値段が安いことです。
弾の値段は種類によって色々変わりますが、ざっくりと
- 第1種(散弾銃):30~40円/1発
- 第2種(空気銃):7~8円/1発(500発3,500~4,000円くらいで買える)
こんな感じです。
つまるところ、第2種の弾は第1種の1/4~1/5倍の費用に収まります。
1発当たりで考えるとそんなに気にする金額でも無いのですが、この先ずーっと続くと考えるとかなり大きな金額ではないでしょうか。
メリット3. 銃の取得・管理のハードルが低い
3つ目のメリットが、銃の取得・管理のハードルが低いことです。
ざっとまとめますと、こんな感じ。
- 試験が第1種よりも少しだけ簡単
- 18歳から取得できる(第1種は20歳から)
- 実包(弾)の使用報告が不要
報告が不要なのはかなり楽ですよね。
メリット4. 発射音が静か
4つ目のメリットが、発射音が静かなことです。
空気銃は空気の力で弾を発射させるため、あまり大きな音がしません。ですので、周囲への騒音などを気にせずに撃つことが可能です。
逆に第1種の装薬銃は火薬なので、撃てば数百メートルまで音が響き渡ります。
メリット5. 質の良い肉が獲れる
5つ目のメリットが、質の良い肉が獲れることです。
狩猟をする場合、食べる目的で鳥やイノシシを撃つこともあると思います。そんなとき、空気銃なら単発で仕留めるため必要以上に肉を傷つけず、良質な肉を手に入れることが可能です。
第1種の装薬銃の場合、散弾を使用することが多く、複数発の弾が獲物にヒットするため肉が傷みやすくなります。
空気銃(エアライフル)のデメリット
多くのメリットがある一方で、空気銃(エアライフル)は
- 銃の値段が割高
- 大物を仕留めるのにパワー不足
- 危機感が無くなりやすい
などのデメリットもあります。1つずつ説明しますね。
デメリット1. 銃の値段が割高
1つ目のデメリットが、銃の値段が割高なことです。
空気銃のタイプは大きく、
- ポンプ式:空気圧(手動)で弾を発射する
- プリチャージ式:空気圧(ボンベ)で弾を発射する
- ガス式:ガスの圧力で弾を発射する
- スプリング式:バネで弾を発射する
の4つがあります。
最近の人気はパワーのある「プリチャージ式」ですが、このタイプは中古でも10数万円しますし、新品なら30万円以上のものがほとんどです。
ポンプ式など、比較的安く入手できるものもありますが、全体的には散弾銃よりも5~15万円高い感覚でとらえてもらってよいでしょう。
一方、散弾銃はシンプルな構造かつ利用者が多いため、かなり安価で出回っています。中古であれば5万円ほどで購入することが可能です。
デメリット2. 大物を仕留めるのにパワー不足
2つ目のデメリットが、大物を仕留めるのにパワー不足なことです。
ポンプ式の空気銃は射程距離が約30mと短く威力が無いため、イノシシやシカなどの大物には向きません。それ以上の射程で狙いたいのであれば、自分でカスタムするか、値が張るプリチャージ式の銃を買うことが必要です。
デメリット3. 危機感が無くなりやすい
3つ目のデメリットが、危機感が無くなりやすいことです。
これは「発射音が静か」であることの弊害でもあるのですが、あまりに静かすぎて「銃を撃っている実感が持てない」というデメリットが生じます。
「慣れてきたときに1番事故が起きやすい」とよく言いますが、その状況になりやすいのが空気銃です。もちろんこれは意識の問題なので人それぞれだとは思いますが、注意しておく必要があるでしょう。
空気銃(エアライフル)ならスマートに狩猟が楽しめる!
今回は空気銃(エアライフル)についてお伝えしました。
おさらいしますと、空気銃(エアライフル)のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 取得コストが安い
- 弾の値段が安い
- 銃の取得・管理のハードルが低い
- 発射音が静か
- 質の良い肉が獲れる
【デメリット】
- 銃の値段が割高
- 大物を仕留めるのにパワー不足
- 危機感が無くなりやすい
狩猟を始めたばかりの人や、小型の鳥獣を中心に狩猟を考えている方にとってはメリットの大きい猟銃と言えるかもしれません。
メリットとデメリットを比べて、自分の狩猟スタイルに合ったものを選びましょう!
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